「忍足さんの代わりになんてなってもどうにかなるって訳じゃないです」





「でも俺は秋姫さんを悲しめたくないんです」





「どんなに時間が経ってもいいです」





「俺を・・・       俺を好きにはなってくれませんか?」
























「鳳ー・・」


俺のクラスの扉から聞き覚えのある声がした。

その主は今最も嫌いな・・・・忍足侑士

俺は少し忍足さんを軽く睨み忍足さんへ近づいた。


「何ですか?」

「あんな、昨日に呼び出されたんやけどいなかったんや」

「それが・・・どうしたんですか?」

「鳳、のこと見たか思うてな・・見いひんかった?」

「忍足さん・・・貴方って本当に最低な人ですね」

「は?・・・何で俺が最低やねん・・」


忍足さんは俺が最低と言った途端眉間に皺を寄せ、「の方が最低やん」と小声で言っていた。


「貴方・・昨日ちゃんとさんを見たんでしょ?」

「だからさっきから何を言うとんの?訳わからんわ・・・」


忍足さんは髪を片手でかきあげ、扉にもたれかかった。


「俺はなぁ昨日を見てへんのや、ずっと待ってた、授業もサボってずっと待ってたんやで?」

さんは・・・っ!!」


俺が急に大きな声を出したので、忍足さんは少し驚いた表情になったが

直ぐにいつもの冷静な顔に戻っていた。

そして忍足さんは扉にもたれかかるのをやめ、俺の目の前に立った。


さんは・・・・その続きは?」

「・・・・・・・」

「言えへんの?」

さんは昨日・・・・ちゃんと行きましたよ」

「・・・・・・・・知っとったよ・・・」

「なっ!・・・だったら何で今探してるんですか?!」

「ほんとはな・・・自信がないねん・・・・」



忍足さんは急に話を変えたかと思うと、そっと座り込んだ。

そして遠くを見つめるように話し出した。




「俺な・・・ほんまはが告白してくるなーって気付いてたんやけどな・・・自信がないんや

 俺はを幸せにできるのか、とか・・・はほんまに俺でいいんか、とか・・・

 いろいろ考えてしまうねん

 考えれば考えるほど・・・跡部の方がええんちゃうかなって思ってな

 せやから・・・昨日夏美と一緒にいたんや

 そうすればも俺を最低な奴思って、跡部とくっ付くかなー思うてたけど、鳳とはな・・

 めっちゃ予想外やな・・・」



忍足さんは言い終えるとまた立ち上がり「授業があるから」と言い戻っていった。

俺は忍足さんが見えなくなるまでずっとその背中を見つめていた。



























































授業も終わり、部活の時間になった。

1人でテニスコートまで行くと、途中で女性から声をかけられた。


「鳳君」


俺は声のした方を向き、誰なのかを確かめた。


「・・・なんでしょうか?」


俺の問いかけに彼女は小さく微笑み一歩ずつ近づいてくる。


「鳳君ってさぁ・・・・『』って子・・・好きなんだね」

「何ですか、急に・・・」

「ちょっと気になっただけよ」

「貴方は誰ですか」


急にさんの名前が出てきて俺は少し怒った風に問いかける。


「私は・・・・二ノ宮夏美・・・・宜しくね」

「・・・なつみ・・・?」

「あら、私のこと知ってるの?光栄だわ」

「貴方・・・忍足さんとキスしたって言う・・・」

「ご名答、あの人コロっと騙されたのよ、ああいう男は嫌いじゃないのよね」


彼女はまた微笑み思い出すかのように語る。


「騙されたって・・・何なんですか」

「聞いてないの?・・・ただ、ちょっと私に付き合ってもらっただけよ、ほんと、あの人バカみたい」

「貴方がキスしたんですか?」

「私からじゃないけど・・・頼んだの、を潰すためにね」


彼女はあははっと笑い、けれど瞳はとても冷酷な瞳をしていた。


「潰す?」

「そう、だって鳳君が獲られちゃうんだもの」

「何・・・言ってるんですか」


すると彼女は俺に近づいて来て、俺の唇と彼女の唇が触れるか触れないかのところで彼女は言った。



                            ――――鳳君が好きだから・・・・


何故俺はそこから動かなかったのか・・・動こうと思えば彼女とは離れられたのに

俺はその場から動かなかった、動けなかった・・・・


「いい子ね、・・・長太郎」


俺は彼女に唇を奪われた。

















































大分辺りも暗くなり始めた頃、部活が終わり帰る支度をしていた。

けれど、部活中も今もさんはテニスコートに顔を出さなかった。


「忍足さん、ちょっといいですか?」

「ん、ええよ?」

さん、今日来ないんですか?」

「あー、?・・・・知らへんなぁ・・・」


俺は忍足さんの小さな動揺を見逃さなかった。


忍足さんは、何か知っている・・・・。




―――コンコンッ・・・



部室のドアをノックする音が聞こえ跡部さん以外はドアの方を向いた。

そしてそのドアはゆっくりと開いた。


「お疲れ様」


そこから顔を出したのは二ノ宮夏美

俺は顔を背け着替えを続けた。

彼女は軽くレギュラーの人達と話し始め、そして俺の元へとやって来た。


「長太郎、一緒に帰りましょ?」


彼女の言葉に3年の人達は驚きの表情になり、次々と質問攻め・・・


「え?!二ノ宮と鳳付き合ってたのか?!マジかよ!!」

「うっそー!俺夏美ちゃんのこと結構好きだったのにーぃ」

「長太郎、お前も隅に置けねぇな」


彼女はニコニコと笑うが俺はその全く逆

俺は淡々と着替えを済ませ先輩達に軽く挨拶をし、彼女を引っ張り部室から出た。

俺は校門の近くまで無言で早歩きで来て、止まった。


「何しにきたんですか・・・」

「長太郎と一緒に帰りたくて」

「貴方に呼び捨てされる筋合いないんですが・・」

「だって・・キスしたじゃない?受け入れてくれたんでしょ?」

「あれは一方的にっ!!」

「・・・・・・・」


俺が怒鳴ると彼女はうつむき、肩を震わせた。


「・・・・に、二ノ宮さん?」

「ごめんなさいね・・・でも本当に長太郎が好きなの!愛してるの!!」


彼女は大声を出し泣きながら校門を飛び出した。


「二ノ宮さん!!」


俺は無我夢中で彼女の背中を追いかけた。

けれど、俺は既に彼女の術中にはまっていた。

これは全て彼女のシナリオ通りとは知らずに・・・・・

















































「・・・んっ―――・・・・」


ひんやりとした床に寝そべっている私

どうしてここにいるのか分からない・・というより、ここがどこかさえも分からない


「・・・・倉庫・・・?」


私は辺りを見渡し、ここが倉庫であることに確信した。

でも辺りは真っ暗でほとんど分からない

幸い月明かりが道具を照らしていただけ


「私、何でここに・・・・」


考えてもらちが明かないので、ここから出る方を優先しようと考えもう一度見渡した。

やはり見えるのは月明かりに照らされたものだけ

扉は外から鍵が掛けられて窓は天井のところにあるだけ

しかもここは、ほとんど使われず、幽霊が出るとも噂されている場所だった。


「・・・・・怖いよ・・・長太郎君・・・・」


私はその場で膝を抱えながら顔を伏せた。



お願い・・・誰か来てっ―――・・・・







ドンドンッ――






ビクッと一瞬驚いたものの、これは誰かがいるのかもしれないと思い声を出した。


「助けてっ!!中にいるの!」


外からの応答は何もなく、また静まり返った。


「な、何なのよぉ・・・」


音のした方を向きまた声を出した。


「誰かいるの?!お願い!いたら助けて!!」




     ・・・きっ・・・・



「え?」




     ・・・っ!!



「あ、とべ・・?」



その声の主が跡部らしき人と思い思いっきり走っていった。

そしてドアに思いっきりアタックをし、顔面強打・・・


「いっだぁっ!!!!」

「おめぇ何やってんだよ!!」

「は、はしったら、顔面強打しちゃった・・・・」

「バカやってねぇで早く出ろっ」

「そんな事言ったって外からしか開けれないもん!」

「お前が持ってなかったのか?」

「うん、気付いたらここに・・・・」

「職員室にもここの鍵がなかった」

「え、そうなの?じゃぁ・・・」

「お前の考えてる通りだ、まぁいい、ちょっと離れてろよ」

「え?なにす・・・」


声がしなくなり足音が離れているのが分かった。

しかし何をするのか知らない私はそのまま近くにいた。




すると、急に大きな振動と音が倉庫内に響き渡った。


「ぎゃぁ!!!」


そして、扉が開き跡部の姿が見えた。

跡部の後ろのスポットライトで跡部は影だけでしか見えず、さり気なくカッコよかった(さり気なくだよ?)


「お前は本当に人に手間をかかせるのが好きだな」

「しょうがないじゃん、てか何したの?」

「テニスボールを鍵にブチ当てただけだ」


・・・・・・凄いコントロールと威力ですね、跡部さん


「そんなことはもういい、早く帰るぞ」

「え、あ・・でも何で分かったの?ここにいるって・・・」

「・・・・・・」


私は跡部に腕を引っ張られながらも後ろを付いて行き問いかけた。


「ねぇ・・」

「・・・・お前のことは何でもわかんだよ」

「え、いや、それはどうい「愛の力だ」


跡部はいつもみたいな憎たらしい顔で笑いまた歩き出す。

でもその顔は少し嬉しそうにも見えた。

愛の力、か・・・・

私も小さく微笑みながら誰もいない校庭を歩きながら跡部と一緒に帰っていった。


そういえば、あの倉庫の鍵壊したまんまでいいのか?







































数日後、あの事件もあり私は跡部に惚れ、跡部と付き合うことになった。

跡部と付き合っていても特に生活は変わらなく、イジメもあるかな?と多少は思っていたものの

学年のみんなは優しく、強いて言えば高等部のお姉さま方から凄まじい痛い視線を受けただけだった。




いつも通りテニスコートへ行き、跡部の練習を見ていた。

すると、何気なく見た方向には長太郎君と女の人が一緒に話していた。



「ねぇ繭ちゃん」

「ん?何??」


私は友達の繭ちゃんに声をかけた。


「長太郎君と一緒にいる人って誰??」

「あー、二ノ宮さんね、あの2人付き合ってるらしいよー・・」


繭ちゃんは興味がなさそうに言いテニスコートの方を向き宍戸へ熱いエールを送っている。

ちなみに繭ちゃんはかなりの宍戸ファンさん




・・・長太郎君、付き合ってるんだ・・・・



少し胸に痞えるものもあったが少しの間2人のやり取りを眺めていた。

そしてふと、頭を過ぎった。




あの女の人・・・・忍足とキス・・・してた人じゃ・・・








私はあの時の思いを消すように頭を振ってコートの方へと目を移した。






今は、跡部がいるんだ―――・・・・・





















今は・・・・











                                 ・・・大丈夫・・・







*END*

++++++++++++++++++++++++++++++
何これーーーー!!!?すんごい微妙な終わり!!
しかも絶対続くような感じの終わり方っすよ!!
うち何書いてんだろ・・・しかも鳳落ちじゃねぇっ!!
もう・・・・ごめんなさい!!!
適当に作ってかったるくなったから・・・・ごめんなさい(((;´艸`)
多分、番外編で長太郎の思いとか夏美ちゃんの思いとか忍足さんの思いとか・・・
誰かの番外編を書きたいと思ってます!!!
それではっっっ!!!!(逃
 お気に召したらRCお願いします!!




















(070404)








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