また会えるよね・・・・






会えるよ・・・ジロー君





                           季節外れの雪だるま






今は8月の夏真っ盛り

セミは鼓膜が破れるくらいうるさく鳴き

アイスを冷凍庫から出せば直ぐ溶ける。

こんな暑い中、俺は見てるだけで汗が出てくるような女の子が俺の家の前に立っていた。



「・・・ねぇ〜、君そんな所に立ってて暑くないの?」

「・・・・・・・・・」

「俺今1人だからさっ俺んち入ってなよっ!すっげー涼しいよ!」

「・・・・・・・・・」

「何で喋らないの?」

「・・・・・・・・・・・ですか?」

「え?何々?聞こえなかったぁ」

「・・・私の事・・・変だと思わないん・・・ですか?」

「何で変だと思うのー?全然変じゃないよ、むしろ興味津々だCー」

「・・・・・・」



最初はちょっと変だと思ったけど

日本には貧しい人だっているんだよねー

だから別に変だとは思わなかったC


「ありがとう・・・」

「え?何でお礼言ってんの?」

「・・・・・・」

「ねね、早くおいでよ、ジュースとかアイスとかあげるからさっ」

「・・・・・」


俺は外に出るのは嫌だったから呼んだんだけど中々来なかった。

だから仕方なく俺はその子を引っ張って家の中に連れ込んだ。(ぅおっ誘拐みてー)


「そういえば君の名前は??」

「・・・・・・・」

ちゃんかー俺は慈郎!芥川慈郎っての!ヨロシクなっ」

「・・・・宜しくお願いします」

「ん〜・・・ちゃんって何歳?俺は15歳なんだっ」

「・・・・ぇ・・・・・じゅ、十五歳・・・」

「おおっ同い年じゃんっじゃぁタメでいいよ」

「・・タメ?」

「あ〜・・・敬語じゃなくていいって事!」

「あ・・・うん・・・」


今どき「タメ」って言葉知らない人もいるんだー、なんて関心したしりてー

それにしても凄い美人・・・色は雪みたいに真っ白だし、顔も超可愛いしっ

俺惚れちゃったかも・・・


俺はちゃんの事を色々聞いた。

親の都合でここらへんに引っ越してきたこと

お金が無くて服が変えないこと

友達がいない事・・・

俺はそれを聞いていて、俺ってば幸せじゃんとか思ってた。



「ね〜・・・ちゃんって凄い美人で可愛いよね〜」

「え・・・ありがとう・・///」

「へへっ照れちゃって可愛いCv」

「・・・ねぇ・・ジロー君」

「ん?何?」

「何で私の事・・・美人だと思うの?」

「え〜だってぇ・・・普通に考えてキレイだもん!色は白くて美肌だしぃ、顔もすっげー整って可愛いしぃ・・・スタイルだって抜群じゃん!」

「・・・・」


ちゃんはそれからずっと黙ったままだった。

俺って変なこと言っちゃった?!

褒めたつもりなんだけどなー・・・・


ちゃんごめんねー・・・」

「何で・・謝るの?」

「だってちゃん嬉しそうじゃなかったからさぁ」

「・・・っ・・・・ふっ・・・」

「ぅえ?!なな何で泣いてるの?!俺また虐めちゃった?!ごめんーー!!」

「ちっ違・・・のっ・・・・う、嬉しくって・・っ・・」

「嬉しいの?」

「・・・うっん・・・初めて・・・そうやって言ってくれた人がいたからっ・・・」

ちゃん泣いてても可愛い!」

「へへっ・・・ありがとうっ」


本当にちゃんは可愛くて・・・この子だったらアイドルになってお金じゃんじゃん集めれそうなんだけどなー

そういえばちゃんの家ってここらへんって言ってたような・・・


「ね、ちゃん」

「なに?」

ちゃんの家行ってみたい!ダメ?」

「・・・・・・・・」


ちゃんは少し表情が曇った。


「やっぱりダメだよねーごめんね」

「・・ううん、いいよっ・・ジロー君が見たいなら」

「マジマジ?!ヤッター!早く行こ!」


俺は無我夢中でちゃんを引っ張った。

けど・・・ちゃんの服に触れた時、氷を触ってるような感じがした。

それにちゃんの手も冷たかった。


俺はちゃんに案内されて近くの神社の所まで来た。

するとちゃんはまだ向こうと言ったような顔で俺の方を向いた。

でもずっとずっと歩いても家らしき所は見えてこなかった上に森の中に入っていった。

・・・こんな所に森なんてあっただろうか・・・

確か神社の後ろは家が並んでいたはず・・・

俺は疑問を持ちながらもちゃんの後をついていった。


すると見えてきたのは・・・・・・

















―――氷と雪で覆われた家だった―――










「え・・・ちゃんの家って・・・・ここ・・・なの?」

「・・・・・・うん・・・・・」



ちゃんは凄く悲しそうな顔をしながら言った。

多分俺がちゃんを嫌ったと思ったんだろう・・・

でも俺はそれとは裏腹にとても興奮して言葉が途切れ途切れになってしまった。



「スッゲー!!!カッチョE→!!超最高なんだC−!!マジすっげぇ!!」

「え?!」

「こんな家初めて見たCー!」

「変だと思わないの?」

「思うわけないじゃん!こんな家に住んでみてー!!」

「よかった・・・」

ちゃん?」

「嫌われちゃうかと思った・・・」

「そんな事ないC!俺すっげぇちゃんの事好きだもん!家を見て嫌いになるなんて人間として最低な奴だよ!」

「・・・・・私雪女だよ?」

「え〜雪女も人間でしょ?」

「バカじゃないの?!妖怪に決まってるじゃない!!」

「俺バカだから人間だと思うもん!」

「・・・・・」

「雪女って雪を出せるんだよね?!」

「う・・・うん」

「雪だるま・・・出せない?」

「いいよ・・・」


そう言うとちゃんは人差し指を出して俺の手の上に向けた。

するとちゃんは着物姿になってちゃんの周りで風が吹き始め

どんどん俺の上に雪だるまが現れてきた。


「すっげー!!しかも全然溶けないCー!!」

「ジロー君」

「何々?」

「もう帰って?」

「え〜・・もっとちゃんと遊びたい!」

「ごめんね・・・」

「じゃぁ最後のお願い聞いて?」

「うん・・・」

「女の子の雪だるまと男の子の雪だるま作ってほしいな・・・溶けないやつ!」

「分かった」



またちゃんの周りで風が吹き始めた。

今度はさっきよりも大きめで・・・

女の子はちゃんの最初の服装で

男の子は俺の服装だった・・・

何だ・・・ちゃん・・・分かってたんだ・・・



「・・・・ありがとう」

「いいえ・・・・」


何かが込み上げて来た。

男のくせに弱いなぁ・・・・


俺は雪だるまをそっと地面に置き

ちゃんに抱きついた。



「じっジロー君!」

ちゃんと離れたくないっ!!ずっと一緒にいようよ!!」

「それは出来ないよ・・・私とジロー君は妖怪と人間・・・決して交わってはいけないモノなの・・・」

「ヤダっ!ヤダヤダヤダヤダ!!」

「ジロー君!」

「ヤダぁー!!ちゃんとずっと一緒にいるっ!」

「・・・・」

「俺・・ちゃんが好きだもんっ!誰よりも好きだもん!だから・・ね!一緒にいよ?」

「ジロー君・・・さっきも言ったとお「さっき言った事聞いてないもん!だから俺はちゃんと一緒にいる!」

「・・・・・」


俺って何てバカなんだろ・・・

好きな人困らせて・・・1番バカな奴じゃん・・・

でも俺・・本当にちゃんと離れたくない・・・

折角いろいろな話しして仲良くなったのに・・

半日も一緒にいないのに・・・

お別れなんて・・・・


「ジロー君・・・私もジロー君が好きよ?」

「じゃ、じゃぁ!」

「でもね・・・人間と妖怪は一緒にはいれないのよ?分かる?」

「分かる・・・分かるけど嫌なんだもん!」

「私も同じ気持ちなの・・・だけどね・・・もし2人が幸せになっても生まれてくる子供・・どうなると思う?」

「・・・人間か・・・妖怪?」

「ううん・・・どちらでもない・・・半妖になって・・・生まれてきちゃうのよ?」

「・・・・」

「私達が幸せでも・・・子供は幸せになれなくなっちゃうの・・・」

「・・・そっか・・・そうだよね・・俺の我侭でそんな子が出来ちゃったら嫌だもん」

「・・・じゃぁ私、行かなきゃいけないから・・・」

「・・・また会えるよね・・・?」

「会えるよ・・・ジロー君」


俺はちゃんから離れた。

俺達は手を振って2人同時に後ろを向いた。

ちゃんは家の方へ

俺は来た道の方へ

一緒に歩き出した。

そして俺は雪だるまを持とうとした途端

ちゃん雪だるまが溶け出した。



「なな何で?!何でちゃんのだけ?!」


そう・・・俺の服を着た雪だるまと最初に作ってもらった雪だるまは無事だった。

・・・・・俺に未練を残さない為・・?

そんなのヤダよ・・・

これだけが俺の支えになると思ってたのに・・・



俺は泣き崩れた・・・








「・・・・ちゃっ・・・・・ちゃん・・・・っ・・・・・ーーーー!!!」






俺はそのまま意識が遠のき

目が覚めた時には家の中で眠っていた・・・

これは夢だったのか・・・それとも現実か・・・


俺はちゃんが座っていた椅子を見てみた。


そこには水が染み込んだ後が残っていた・・

そう・・・ちゃんが座っていたという後・・・



ちゃん・・・・俺・・・・・忘れないから・・・・絶対・・・」



『好きよ・・・ジロー君・・・・』




ちゃん・・・・・・」






俺はそこを後にし、店の方へと行った。

そして机の上には季節外れの雪だるまが乗っている・・・





END
+++++++++++++++++++++++++
初ジローちゃん夢・・・
しかも短いですよ〜・・・・
ジローちゃんの性格がおかしいかも・・・しれない・・・
ああ・・・本当にこの文才を治したい!!
 お気に召したらRCお願いします!!






05.08.12



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