『お前は世界で初めて、俺様を虜にさせた女だ』


そう言われ、抱きしめられたのを昨日のように覚えてる。

私はずっとずっとこの言葉を待っていた。

同じ言葉を言われても、この人じゃなければ意味がなかった。

なのに・・・この言葉は皆知っていた。

皆みんなミンナ・・・・・シッテイタ・・・・












ある日の放課後、私は日直の為日誌を遅くまで書いていた。

もう一人の日直の人は部活を優先、ちゃんと理由も言って「今度奢るからっ!」と言ったのでそれほど怒りはしなかった。

それにちゃんと相棒も用意をしてくれていた。

でも・・・よりによって・・・・・     



「何であんたなんだろうねぇ、忍足君?」

「ええやん、かて一人じゃ心細いんやろ?」

「心細くないし、つかあんた部活は?サボリなわけ?」

「ちゃーんと理由も言うたで、跡部景吾部長にな」


こいつの笑みに効果音をつけるなら、ニヤがピッタリと合う

けれど、『跡部景吾』という名前に反応した私はバカだ・・・


「ほんまに跡部が好きなんやね、ちゃんは」

「ちゃん付けするな、キモイ」

「ほんまに女なんか?お前さん・・・男にはもうちょいぶりっ子入れた方がええよ?こんな風に」

そう言いながら瞳をウルウルとさせ「、可愛いでしょ?エへッ」と裏声にしながら言っている

マジでキモイですよ、忍足さん


「そんなことより、相棒、早く終わらせてよ」

「俺日直やないし?」

「お手伝いさんでしょ、早くしてよ」

「お手伝いさんでも、の手伝いはイヤや」

「だったら帰れ、そして永遠にこの学園に現れるな」

「酷いわ〜、折角跡部のいい情報持ってきてやったんやけど〜」


ちらっと私の方を伺う忍足・・・

跡部の情報は聞きたいけどこいつから聞くのだけは嫌だ

でも跡部が・・・でもこいつが・・・


「跡部な・・・のこと好きやって」


私が頭の中でぐるぐると考えていたのを遮り、忍足が言った。


「バカ?んなことあるわけないじゃん」

「バカやと思う?ちゃんと跡部から聞いたんやで?感謝しぃ」

「・・まぁありがとう、でもそれないから」

「ま、自分で確かめることやな」


ガタンッと椅子から立ち上がり、帰ると言い忍足は帰っていった。

私はその行動をぼんやりと見つめていたが、忍足の去ったドアのところに人影が見えた。


「・・・あ、もしかして大塚君?日誌ならもう直ぐ・・・・」


私は日直の大塚だと思い声を出し近づいたが、予想が外れ、言葉を失った。


「よぉ、・・・」


少しぶっきらぼうだが右手を挙げ挨拶をされた。

私は目をぱちくりさせ、その人物を重視していたが、はっとなり慌てふためいた。


「どぁっああ、跡部っ・・・な、なんでここに?!」


嗚呼・・へタレにも程があるよ・・自分・・


「忍足の奴が、お前がここにいるって聞いてな」

「忍足が?」


私はさっきのあの言葉を思い出した。

『跡部な・・・のこと好きやって』――――・・・・

そんなこと・・・ある筈ない・・・


「・・・・・・」


急に下の名前で呼ばれ跡部の顔を見ようと見上げた瞬間、跡部の顔が目の前にあった。


「あとっ・・・っ・・・」


私は跡部に・・・・      跡部に・・・・




キスされた――――・・・・・

























ポツッ・・・   ポツッ・・・ ポツッ・・・



窓の外を見れば、ポツポツと空から雫が落ちていた。

その量は増し、バケツをひっくり返したような、凄い大降りに変わった。





「(私・・・・何してたんだっけ・・・・)」


私は今自分が何をしているのかさっぱり分からない。

机に横たわって、仰向けになっている。

直ぐ傍には窓があり、   そして・・・



「あと・・べ・・・・」

「なんだ?」



私の微かな声に気付き、跡部は私の方を向いた。

跡部はシャツのボタンを締めているところで、ネクタイは床に落ちていた。

自分は・・・?    お腹の辺りや足がスースーとし寒い



「私らって・・・」

「ふんっ記憶がなくなるほど良かったのか?」


憎たらしい微笑み・・・・

そっか・・・私たち、教室でやっちゃったんだ・・・。



ハッとし、ガバッと起き上がり自分の格好を確かめた。

ブラウスは全て全開で、スカートからも下着が見えている。

辺りには白い液のようなものが飛び散っている。


私は急いでブラウスやスカートを直し、跡部を見上げた。


「さっきから何だよ・・用事でもあんのか?」

「あ、あのさ・・・やったって、ことは・・・付き合うって・・こと、なの?」

「付き合いたくねぇのか?」


私は首を大きく横に振り、跡部から視線を外した。


何で・・こんな状況に?キスされただけじゃ・・・

というか順番違くないですか??


「順番なんか、関係ねぇ」

「えっ、・・・」

「まるっきり声に出てんだよ」

「あ・・そ、そっか」

「俺は・・・・半端な気持ちでお前を抱いてねぇ」

「・・・・」

「本気で・・・お前を愛してんだよ」


そう言い、跡部は私を抱きしめた。


「あとっ「景吾だろ?」

「け・・けい、ご・・・」


景吾は、更にぎゅっと抱きしめ、そして・・・


『お前は世界で初めて、俺様を虜にさせた女だ』
























跡部に抱かれてから特に生活は変わらず、いつも通り平凡に過ごしていた。


教室で自分の席に突っ伏していると、後ろに誰かが立った。


ちゃんっ、だいじょーぶ?」


この声・・・


「慈郎?」

「うん、女の子とかに虐められてない?」

「私は平気だよ」


私は体を起こし、慈郎の方向へ体を向けた。

慈郎は相変わらず眠そうな顔で、その中にも私を心配するような表情でもあった。


「本当に平気?」

「うん、皆優しいから、慈郎は心配しなくていいよ」


私は慈郎を心配させないように、微笑みながら慈郎の頭を撫でた。


「俺ね、ちゃんが傷つくとこ見たくない」

「うん・・・」

「俺、ちゃんのこと好きだよ?」

「友達として、でしょ?」

「うん、だからちゃんには笑っててほしい」

「うん・・・」

「跡部といて・・・幸せ?」

「えっ・・?」


さっきまでは友達に虐められていないかを心配していた慈郎は、急に跡部へと話を移した。

慈郎はさっきまでの眠たそうな表情はなくなり、真剣そのものの表情になった。

「幸せ?」

慈郎は私が答えるまでずっと問いただしてきた。





私は・・・跡部といて・・・幸せ、なの?




頭の中にこの言葉がずっと流れている。


跡部のことは好き、好きで好きで、見ていることしか出来なかった遠い存在

それが、今では少し手を伸ばせば触れられる、触れてくれる。

寂しいと言えば抱きしめてくれる

楽しいと言えばそれ以上に楽しませてくれる

今はこれ以上に欲しいものなんてない・・・

跡部させ隣にいてくれれば・・・





「跡部ね、ちゃん以外にも女の子いるんだよ?」

「・・・・・・・」






言葉を失った。








































私は慈郎の言葉を聞き、走って屋上に向かった。

涙が次々に溢れ、頬を伝って服や床に落ちていく。


バタンッと勢いよく屋上のドアを開けば、冷たい風が涙を伝った頬を乾かす。



「・・・・あとっ・・・べぇ・・・っく・・・」



私は屋上の中心に立ったところで、崩れ落ちた。



ねぇ・・・あの言葉は嘘だったの?

ねぇ・・・私は何を信じればいいの?

ねぇ・・・貴方に私は必要ないの?

ねぇ・・・・―――






跡部・・・・・――――











私は屋上の真ん中で大の字で寝転んだ。

でも目からは涙が次々に溢れ、髪の毛を濡らし、コンクリートも濡らした。

私は少しの間流れる雲をぼーっと見つめ

そして、瞳を閉じた。


浮かび上がるのは跡部・・・跡部・・・・

全てが跡部だった。


「あと、べ・・・・」


嘘だよね?

慈郎は私をからかったんだよね?

答えてよ・・・



「おい・・・」



私の頭の方から低い、そして私の大好きな声がした。

目を開ければ、愛しのあの人



「あとべ?」

「何泣いてんだよ、アホ」

「アホじゃないもん・・・」


私はゆっくり体を起こし、跡部の方へ体を向けた。


「ねぇ・・」

「なんだ?」

「あの言葉って、嘘だったの?」

「・・・・・・・」


跡部は少し驚いた素振りを見せ、でもまたいつもの表情に戻った。

そして跡部から出た言葉は


「嘘なわけねぇだろ」




うそつき




「本気で、お前を愛してんだよ」




うそつき




「それで泣いていたのか?」




うそつき




「何か言えよ」




うそつき・・・・






私は唇をきつく噛み、血が出ていた。

そのことに跡部は気付き、私に駆け寄ってきたが

今は跡部の顔を見たくない

跡部を感じたくない、触れたくない


それなのに・・・何で気付かないの?


どうして、触れてくるの?




「悪かったな・・心配かけて」



跡部は私の頭を優しく撫で、そして抱きしめた。

卑怯だよ・・・

こういう時に限って優しくして

私の欲しい言葉をくれて














「    別れよ?    」


私の言葉に驚いた顔を見せる跡部


「あ?何言ってんだよ」

「もう・・・疲れる」

「俺様を振るってことか?」

「うん・・・もう・・・跡部は・・・嫌い」

「そうか」



気付いて・・・



「俺様だけがお前を好きだったって訳か」




気付いてよ




「・・・じゃあな」




気付いてよ・・・・バカッッ・・・・






「跡部ぇっ!!」




「うそっ・・うそだよっ・・・・跡部は嫌いじゃないっ好き、大好きだよ!!

 いつもは直ぐ気付くのに、何でこういう時に気付かないのっ?」



私、何言ってんだ・・・

泣きたいくせに、心はボロボロのくせに

跡部を求めてるなんて

世界一のバカじゃん、私・・・・




・・・」



私はゆっくり顔を上げた。



「悪かった」



跡部はしっかりと私を見つめ、その瞳からは、うっすらと涙が浮かんでいた。



「お前以外に女がいたのは事実だ、だがな・・・・あの言葉だけは本気なんだよ」

「あと、べぇっ!!」


私は走って跡部に抱きつき、ずっとずっと謝り続けた。


「ごめっなさっ・・・ごめっん・・・っうぇっ」

「バーカ、鼻水拭けよな」

「・・ひっく・・・す、き・・・ぃ」

「ああ・・・愛してる」




私達は唇を重ね、そして、ずっとそこで抱き合っていた。

これからも、ずっとずっと離れないように

離さないように・・・








END
++++++++++++++++
ギャー跡部が跡部じゃないし何このグダグダ感!!
もう本当にダメダメだぁ;;
しかも無駄に長いですね↓↓
ちなみに、タイトルの隣の英語は「フランス語」です(笑)
フランス語ってカッコイイからね(笑)




(070316)




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