景吾の誕生日にいつもやるお遊び










それは私達だけの秘密のゲーム








                           





今日は待ちに待った跡部景吾の誕生日

この日を黙って過ごす人はごく僅かだろう

この氷帝学園で1番顔良し頭良し・・・全てが完璧な人

誰でも一度は思い描くような人だから

そんな人と私は付き合っているんだけれど、私は今日が1番大キライな日

何でって・・・いろんな女の子が告白したりプレゼントを渡したりするから・・・・

誰でも彼氏がこんなにモテたら嫌に決まってる・・・






そう思っていたら、遠くの方から女の子達の悲鳴みたいなのが聞こえてきた。

私はそれだけで何か分かった。


跡 部 景 吾 ・ ・ ・ 


景吾が来たから皆が騒いでる。



私は呆れながら教室を出て屋上へ向かった。







ギィーっと鈍い音をたて扉が開いた。

開けた瞬間に冷たい風が頬を撫でた。


「屋上も久しぶりかも〜・・・」


独り言を言いながら1人屋上に寝転ぶ。

もう秋だからコンクリートは冷たく涙が溢れそうになる。


「そういえば去年もこんな事あったっけ・・・・」


私は去年の事を思い出しながら目を瞑った。











それは私と景吾が付き合う前

景吾の誕生日の一週間前だった。

私は友達の誘いでテニス部の練習を見に行った。


「私、男テニには興味ないんだけど・・・」

「いいじゃん、ちゃんと奢るからっね?」

「・・・・はぁ・・・」


私は最初は男テニだけじゃなく男という生き物にすら興味は全くなかった。

勿論彼氏を作った事など一度もない。


「あんた少しは恋愛しなきゃ女になれないよ〜?」

「別にいいじゃん、恋愛なんか」

「全く、お母さんが聞いたら泣いちゃうよ?」

「泣くほどの事なの?」

「決まってんじゃん」


そうゆう会話をしながらとうとう付いてしまった。

私はただぼんやりと眺めていた。

しかし、コートの周りにはやけに女子が多くキャーキャーと悲鳴をあげ、誰かの名前を呼んでいるようだった。


「ねぇ・・・周りのギャラリーなに?」

「何って・・・ファンに決まってんじゃん」

「・・・貴方は何ファン?」

「え、私?勿論跡部様ファンに決まってるじゃなぁいv」

「へぇ〜・・・」

「カッコイイ人見つかった?」

「皆同じじゃん」

「・・・・・お前は・・・」


私は別にカッコイイとか素敵とかは思わず、ただ「テニスが上手い」とか「あの人強そう」としか思えなかった。

すると、1人の男子がコートに現れた瞬間女子の悲鳴が更に大きくなり鼓膜が破れるかと思った。


「な、何なのよ〜〜!!!」

「何って跡部様よ跡部様!!キャーーー!!」

「・・・・・」


私はその煩さに我慢できず耳を塞ぎながら少しコートを見てみた。

その瞬間その人はジャージを高く脱ぎ捨て「俺様の美技に酔いな」と言った。

一瞬ドクンと胸が高鳴った。

その後からその人に見惚れ周りの煩さなど耳に入らなかった。

私は気づき・・・・「一目惚れ」という事に気が付いた。






練習も終わり皆が帰り始めた頃、私は友達とはぐれてしまった。

メールをして位置を確かめたが友達はもう帰り道を歩いているらしかったので少し携帯を見つめたまま突っ立っていた。

すると・・・


「そこのお姉さん、どないしたん?」

「え?」


後ろを振り向くと丸い眼鏡をかけたイケメンさんが立っていた。

でもさっきの人とは違うので別にいつものように軽く流しながら話そうとした。


「君、今日初めてここに来たやろ?」

「そうですけど」

「やっぱりな、あのギャラリーん中で1人だけ耳塞いでるんや、めっちゃ目立っとったで?」

「そうですか」

「あんた・・・跡部に惚れたやろ・・・・」

「は?」

「跡部んとこ連れてってやろか?」

「跡部って・・・・・」

「せやからあんたが惚れた人言うてるやろ、ええから付いてき」



私は少し戸惑いつつもその人についていった。

そこはさっきのテニスコートの近くで部室だった。

そしてその人は中に入れてくれた。

その中には私の一目惚れの人がいた。


「忍足、お前の女か?」

「ちゃうよ、レギュラーの誰かのお客さんv」

「ちょっと待ってっ貴方が勝手に連れてきたんでしょ?!」

「へぇ〜・・」

その人は私に近づき顎を持ち上げた。

「お前、だな」

「な、何で知っ「男嫌いで有名だからな」

「何よそれ」

「テニス部レギュラーにも興味を持たねぇお前が何でここにいんだ?あ〜ん?」

「眼鏡の人が連れてきたのよ」

「おい忍足、こいつは誰が好みだって?」

「あんな・・・・・」


眼鏡の忍足という人は跡部という人に耳元でゴニョゴニョと話し始め、跡部という人はニヤつきながら私を見下ろしてきた。


、俺様と付き合え」

「何言ってんのよ」

「俺様の女になれって言ってんだよ、喜べよ」

「私は別に貴方の事は好きじゃないし貴方の事知りません」

「跡部景吾だ、これで分かったろ?」

「名前じゃないわよっ!つーか離せっ!」

「おいおい、そんな暴れんじゃねぇよ」


跡部は私の腰に手を回しまた顎を持った。


「じゃぁ一週間時間をやる、その間にこれを見つけ出せればお前は俺様の女にならなくていい、だが見つけ出せなかったら俺様の女になれ、

「分かった、10月4日までね」


私はそう言って部室を走って逃げた。


「あいつ、これの意味分かってんのか?」

「分かってへんやろ・・・」










次の日から私は探し続けた。

跡部の教室、ロッカー、机の中、椅子、裏庭の噴水の中、部室・・・・思い当たる所全てを探し続けた。

けれどそれは見つからず、最後の10月4日。

私は屋上へ行き1人寝転んだ。


「見つかるわけないよ〜・・・あんな小さいの・・・・」


私は目を瞑り涙がでそうなのを堪えた。

すると、人の気配がし目を開ければそこには跡部が立っていた。


「見つかったか?」

「見つかるわけありません」

「俺様の勝ちだな」

「分かった、付き合う・・・けどそれはどこにあるのよ」

「ああ、それはな・・・・」


跡部はズボンのポケットに手を突っ込み何かを探って取り出した。

そこには・・・


「・・・・それ反則じゃない?」

「反則なんかねぇよ」

「・・・・・・」

「これ、来年の10月4日まで俺様が持ってる」

「・・・そうだね」

「その日にまた宝探しやろうぜ?」

「分かりやすい所に隠してよ?」

「どうだろうな」



本当はこんな奴最低だとしか思えなかったけど

付き合っていく内に跡部の優しさ、愛情・・・いろいろあってとても幸せだった。





























私はもう一度目を開け、空を見た。

その空は去年とは違い青空で気づかない内に太陽が出ていた。

すると人の気配が近づき私は目を瞑った。

私の予想が当たればその声はきっと私の愛しい人の声・・・・・



・・・・」

「なんですか?景吾・・・」

「去年の約束、覚えてるか?」

「今思い出してた所」

「じゃぁ探せよ」

「もう知ってる」



知ってる・・・私は貴方の事何でも分かるから

去年私が言った言葉覚えててくれたんだね


「ズボンのポケットの奥底」

「大正解だ」


そう言って景吾は私の額にキスを落とした。

そしてポケットから出し、それを私の手のひらに乗せた。


「俺様が18になるまでこれは続けるからな」

「錆びるかもよ?」

「毎年買い換えてあるんだよ」

「このお坊ちゃま」

「・・・・今日だけそれ付けてろよ・・・・・・」

「うん・・・・」


私は起き上がり手を出した。

景吾は私の薬指にそれをはめ、手の甲へキスを落とした。


「俺様が18になったら結婚しよう・・・

「・・・はいっ」





小さな小さな指輪だけれど

私達にとっては大きな大きなタカラモノ

毎年これを見つけては喜び合って・・・

子供みたいな遊びだけれど私達にとっては大事な行事




このゲーム・・・・後3回で終わってしまうけど

その後には沢山楽しい事が待っている

大変だけどとても楽しい日々が・・・・






END
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けいたん☆;:*:;☆;:*:;☆“Congratulations”☆;:*:;☆;:*:;☆
いやいや、これを今日書いたなんて・・・
あ〜宍戸も書かなくちゃいけない・・・がっくんもだ・・・
つーか今度は忍足ってか後11日!!
頑張らなくては!!!
 お気に召したらRCお願いします!!







(051004)







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